フラクタル分析

DFA・Hurst指数とは?株価の長期記憶と平均回帰を読む方法

DFAで株価時系列の長期依存性を測り、Hurst指数からトレンド持続・ランダムウォーク・平均回帰を解釈する方法を数式付きで解説します。

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この分析で分かること

DFA(Detrended Fluctuation Analysis)は、局所トレンドを取り除きながら、時間幅を変えたときに変動がどう増えるかを測る手法です。傾きとして得られるHurst指数は、系列が持続的か、反持続的かを示します。

分析方法

  1. 価格から対数リターンなどの分析系列を作り、平均を引いて累積系列に変換します。
  2. 累積系列を長さnの区間に分け、各区間の局所トレンドを回帰で除去します。
  3. トレンド除去後の二乗平均平方根F(n)を求め、複数のnについて繰り返します。
  4. log nとlog F(n)の回帰傾きからHurst指数Hを推定します。

数式と変数

累積プロファイル

Y(k)=i=1k(xixˉ)Y(k)=\sum_{i=1}^{k}(x_i-\bar{x})

x_iは分析系列、平均はx̄、Y(k)は平均調整後の累積値です。

変動関数

F(n)=1Nk=1N(Y(k)Yn(k))2F(n)=\sqrt{\frac{1}{N}\sum_{k=1}^{N}(Y(k)-Y_n(k))^2}

Y_n(k)は窓幅nで推定した局所トレンド、Nは観測数です。

スケーリング則

F(n)nHlogF(n)=Hlogn+cF(n)\propto n^H\quad\Longleftrightarrow\quad\log F(n)=H\log n+c

両対数回帰の傾きHがHurst指数です。

用語の定義

持続性
同じ方向の変化が続きやすい性質です。一般にHが0.5より大きい領域で示唆されます。
反持続性
上昇の後に下落、下落の後に上昇が起きやすい平均回帰的な性質です。
スケーリング
観測する時間幅を変えたとき、変動量が一定のべき乗則で変わる関係です。

直感的な例

日次リターンのHが0.62なら、過去の方向がある程度持続する可能性があります。ただし、H=0.62だけで翌日の上昇を予測できるわけではありません。ローリング推定とサロゲート系列を併用し、その値が偶然の範囲を継続して外れるかを確認します。

結果の読み方

  • Hがおおむね0.5なら、ランダムウォークと区別しにくい状態です。
  • Hが0.5を継続して上回る場合は持続性、下回る場合は反持続性を疑います。
  • log-log点群が直線に乗らない場合、単一のHで全スケールを説明できない可能性があります。

投資への活用

  • トレンドフォローと平均回帰のどちらを検証候補にするかの事前診断に使います。
  • ローリングHの変化を、戦略の適用停止やレジーム変化の補助指標にします。
  • 単独の売買シグナルではなく、コスト控除後のサンプル外検証へ進むための仮説生成に使います。

限界と注意点

  • 有限標本、外れ値、窓幅の選択により推定値が大きく変わります。
  • 非定常性や構造変化があると、全期間の単一Hは異なる局面の平均になります。
  • Hが0.5から離れていても、取引コスト控除後の収益性を保証しません。

実際の株価データで確認する

トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。

DFA・Hurst指数を実データで見る

本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。