情報理論
株価のエントロピーとは?不確実性と予測可能性の測り方
Shannonエントロピーを株価リターンへ適用し、状態の不確実性やパターンの偏り、予測可能性を評価する方法を数式付きで解説します。
エントロピーShannonエントロピー株価予測可能性情報理論
この分析で分かること
情報エントロピーは、観測される状態がどれだけ均等で予測しにくいかを測ります。株価ではリターンの符号、ビン、順位パターンなどを状態として定義し、パターンの偏りを不確実性として要約します。
分析方法
- リターンを上昇・下落、分位ビン、順位パターンなど有限個の状態に変換します。
- 各状態の出現確率p_iを標本頻度から推定します。
- Shannonエントロピーを計算し、必要に応じて最大値log Kで正規化します。
- 窓を動かして計算し、市場状態による不確実性の変化を追います。
数式と変数
Shannonエントロピー
Kは状態数、p_iは状態iの発生確率です。0 log 0は0として扱います。
正規化エントロピー
0から1へ正規化し、状態数が違う設定同士を比較しやすくします。
相互情報量
Xを知ることでYの不確実性がどれだけ減るかを表します。
用語の定義
- 状態
- 連続的な値動きを集計できるカテゴリへ変換したものです。定義により結果が変わります。
- 最大エントロピー
- すべての状態が同じ確率で出る、最も不確実な状態です。
- 相互情報量
- 線形相関に限らず、2つの変数が共有する情報量を測る指標です。
直感的な例
上昇・下落の2状態が50%ずつなら正規化エントロピーは1に近く、符号だけでは予測しにくい状態です。80%対20%ならエントロピーは下がりますが、その偏りが将来も続くかは別期間で検証する必要があります。
結果の読み方
- 高い値は状態が均等で不確実、低い値は一部状態への偏りを示します。
- 低エントロピーは必ずしも利益機会ではなく、下落が一方向に続く危険な局面でも生じます。
- 状態数、窓長、離散化方法を変えても結論が残るかを確認します。
投資への活用
- 規則性が乏しい局面で無理に方向予測することを避けるフィルターにします。
- 低エントロピー局面を検出し、トレンド・レジーム分析の対象候補にします。
- 相互情報量で、指標が将来リターンについて追加情報を持つかの仮説を作ります。
限界と注意点
- 離散化と窓長の選択に強く依存します。
- 小標本では出現確率が偏り、エントロピーを過小推定しやすくなります。
- 規則性を見つけても、向き、規模、コスト控除後収益は別途検証が必要です。
実際の株価データで確認する
トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。
情報エントロピーを実データで見る本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。