OHLC分析
連続暴落・暴騰ラン分析とは?急変動の後に反発するか続落するか
連続して下落(上昇)した区間をランとして抽出し、ラン長・累積変動率・終了後の値動きから、短期リバーサルとモメンタムのどちらが働くかを検証する方法を解説します。
暴落暴騰連続下落短期リバーサル押し目買い
この分析で分かること
前日終値比で連続して下落(または上昇)した区間を1つの「ラン」として扱い、その連続日数・累積変動率・終了後の値動きを集計します。「暴落の後は反発するのか、さらに下げるのか」という問いに、その銘柄の実際の履歴で答えるための分析です。
分析方法
- 日次リターン r_t = C_t/C_{t−1} − 1 を計算します。
- r_t が連続して負(または正)である最大の区間をランとして切り出します。
- ラン直前の終値からラン終了日の終値までの累積リターンを、そのランの累積率とします。
- 累積率の絶対値が閾値以上のランだけを暴落・暴騰イベントとして採用します(閾値はスライダーで可変)。
- ラン終了日を起点に、終値ベースと翌営業日始値ベースの2通りで、その後N日のリターンを平均・中央値・勝率・標準偏差で集計します。
数式と変数
ランの累積率
sはラン開始日、eはラン終了日です。起点をラン開始の前日終値に取ることで、ラン全体の落ち込み幅を測ります。
終値ベースの後続リターン
ラン終了日の引けで建てた場合に相当します。d=0は0です。
始値ベースの後続リターン
翌営業日の寄り付きで建てた場合に相当します。終値ベースとの差が、そのまま寄り付きギャップの効果になります。
用語の定義
- ラン
- 同じ符号の日次リターンが連続する最大の区間です。1日だけでもランと数えます。
- ラン長
- そのランに含まれる営業日数です。通常は1〜2日が大半を占めます。
- 累積率
- ラン全体での価格の変化率です。暴落率・暴騰率として扱います。
- 短期リバーサル
- 急落の後に反発する性質です。押し目買いが機能する状態に対応します。
- 急変動クラスター
- 暴落・暴騰のランが特定の時期に集中する現象です。ボラティリティ・クラスタリングの現れ方の1つです。
直感的な例
累積−8%以上の暴落ランを抽出し、終了後の終値ベース平均が5日目で+1.2%だったとします。押し目買いが効いていると読めますが、確認すべきは3点です。件数(数件なら平均は個別事例で決まります)、±1標準偏差の帯の幅(平均の10倍あることも珍しくありません)、そして終値ベースと始値ベースの差(翌朝のギャップで反発の大半が終わっていれば、引け仕掛けでは取れません)。
結果の読み方
- ①の棒が密集する時期は急変動クラスターです。イベントが特定の年に偏っていないかを必ず確認してください。
- ②のラン長分布は通常1〜2日が大半で、右肩下がりに減衰します。裾が厚いほど連続が粘る銘柄です。
- ③で左右の裾の広がりを比べると、下落側の裾が重いという株式一般の非対称性が確認できます。
- ⑤では平均だけでなくσ帯の幅と件数を見てください。帯が広ければ平均は判断材料になりません。
- 終値ベースと始値ベースの乖離が大きい銘柄は、執行タイミングで成績が変わります。
投資への活用
- 暴落後に押し目買いを入れるか、下落継続として見送るかの判断材料にします。
- 反発が最大化する経過日数から、逆張りの手仕舞い日数を設計します。
- 終値仕掛けと寄り仕掛けの差から、執行タイミングを使い分けます。
- 長い連続が多く傾きが急な銘柄では、逆張りのタイミングを遅らせる根拠にします。
限界と注意点
- 件数が少ない(高い閾値・長い連続日数)ほど平均の信頼性が下がります。件数とσ帯を必ず確認してください。
- 後続リターンは起点の異なるイベントの重ね合わせであり、個別の分散は非常に大きくなります。
- 取引コスト・スリッページ・配当・流動性を考慮していません。短期ほど影響が大きくなります。
- 連続性を前日終値比で定義しているため、寄り付きで大きく下げて日中に戻した日も下落ランに含まれます。
- 過去の傾向はレジーム依存で、低ボラ局面と高ボラ局面で結果が変わります。
実際の株価データで確認する
トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。
連続暴落・暴騰ラン分析を実データで見る本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。