テクニカル
パラボリックSAR・CCI・ウィリアムズ%Rとは?計算式と使い分け
Parabolic SAR、CCI、Williams %Rの完全な計算式と読み方、そして%Rがストキャスティクス%Kの恒等変換にすぎないという重要な注意点を解説します。
パラボリックSARCCIウィリアムズ%RWilliams %Rトレーリングストップ
この分析で分かること
3つの古典的な指標をまとめて表示します。SARはトレンド追随の損切り位置を機械的に決める仕組み、CCIは典型価格の移動平均からの乖離を平均絶対偏差で標準化した値、%Rは直近レンジ内での終値の位置です。用途はそれぞれ、出口の管理、乖離の測定、レンジ内位置の把握です。
分析方法
- SARは、トレンド方向の極値EPへ向けて加速因子AFの割合だけ毎日近づけ、価格が触れたら方向を反転します。
- AFは0.02から始まり、極値が更新されるたびに0.02ずつ増え、0.2で頭打ちになります。
- CCIは典型価格(H+L+C)/3の20日単純移動平均と、同じ窓の平均絶対偏差を求めます。
- 乖離を0.015×平均絶対偏差で割り、おおむね±100に収まるよう尺度を合わせます。
- %Rは直近14日の最高値・最安値に対する終値の位置を0〜−100で表します。
数式と変数
Parabolic SAR
EPはトレンド中の最高値(上昇時)または最安値(下降時)です。AFは極値更新のたびに0.02ずつ増えるため、トレンドが伸びるほどSARは加速して価格に近づきます。
CCI
TP=(H+L+C)/3、MADは同じ窓の平均絶対偏差です。定数0.015はLambertが「おおよそ±100に収まる」よう選んだ経験値で、統計的な導出はありません。
Williams %R
HH・LLは直近n日の最高値・最安値です。レンジが0のときは−50を返します。
%R とストキャスティクス%Kの関係
同じ窓長なら両者は定数100だけずれた同一の量です。並べて「2指標が一致した」と読むことはできません。
用語の定義
- 加速因子(AF)
- SARが極値へ近づく速さです。トレンドが伸びるほど大きくなり、追随が締まります。
- 極値(EP)
- 現在のトレンド中に記録した最高値または最安値です。
- 典型価格
- 高値・安値・終値の平均で、1本のバーの代表値です。
- 平均絶対偏差(MAD)
- 平均からの距離の絶対値の平均です。標準偏差より外れ値に鈍感です。
- ストップ&リバース
- 損切りと同時に反対方向へ建て直す方式です。SARはこれを前提に設計されています。
直感的な例
SAR、CCI、%Rが同時に売りを示した、という状況を考えます。根拠が3つ揃ったように見えますが、%Rはストキャスティクス%Kから100を引いただけの量であり、CCIも典型価格の乖離という近い情報を見ています。独立した3つの証拠ではなく、ほぼ同じ観測の言い換えです。指標を並べて数を数えることは、根拠を増やす行為ではありません。
結果の読み方
- %Rとストキャスティクス%Kは同一の量です。両方を根拠として数えないでください。
- SARはレンジ相場で頻繁に反転し、往復のコストだけが積み上がります。トレンドがある局面専用の道具です。
- CCIの±100は経験的な目安で、実際の超過頻度は銘柄によって大きく違います。
- CCIの分母にMADを使うため、標準偏差ベースの指標より外れ値の影響が小さく出ます。
- 3指標のうちSARだけが出口(損切り位置)の道具で、他の2つは状態の記述です。役割が違います。
投資への活用
- SARをトレーリングストップの位置として使い、出口規則を機械化します。
- CCIの水準を状態として定義し、条件付き分析でその後のリターン分布を数えます。
- %Rは既にストキャスティクスを見ているなら追加情報になりません。どちらか一方に絞ります。
- SARの反転頻度から、その銘柄がトレンド型かレンジ型かを大まかに把握します。
限界と注意点
- %RはStochastic %Kの定数シフトであり、独立した指標ではありません。
- CCIの定数0.015に統計的根拠はありません。分布から定めた閾値ではありません。
- SARはギャップに弱く、窓を開けて飛んだ場合は想定より不利な位置で反転します。
- SARには損切り幅の上限がなく、ボラティリティが急拡大すると許容損失を超えることがあります。
- いずれも広く知られた古典的指標で、単純な閾値売買で優位性が残っている可能性は低いと考えるべきです。
実際の株価データで確認する
トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。
追加テクニカル(SAR・CCI・%R)を実データで見る本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。