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OBV・VWAPとは?出来高で価格トレンドの裏付けを取る

OBV(オンバランスボリューム)とVWAP(出来高加重平均価格)の計算式、ダイバージェンスの読み方、そして「水準が起点に依存する」という重要な限界を解説します。

OBVVWAP出来高加重平均価格ダイバージェンスオンバランスボリューム

この分析で分かること

OBVは終値が前日より上がった日の出来高を足し、下がった日の出来高を引いて累積した指標です。VWAPは出来高で重みづけした平均価格です。どちらも出来高を使って「その値動きに裏付けがあるか」を測りますが、いずれも累積量なので、水準そのものではなく傾きと乖離を見ます。

分析方法

  1. 初日のOBVを0とします。
  2. 終値が前日より高ければ当日出来高を加算、低ければ減算、同値なら据え置きます。
  3. OBVの20日移動平均を重ね、傾きの変化を見ます。
  4. 各日の典型価格(H+L+C)/3に出来高を掛け、期間の先頭から累積します。
  5. 累積した金額を累積出来高で割り、VWAPとします。

数式と変数

OBV

OBVt=OBVt1+{+Vt(Ct>Ct1)Vt(Ct<Ct1)0(Ct=Ct1)OBV_t=OBV_{t-1}+\begin{cases}+V_t&(C_t>C_{t-1})\\-V_t&(C_t<C_{t-1})\\0&(C_t=C_{t-1})\end{cases}

V_tは出来高です。値幅の大小は問わず、符号だけで全量を割り当てます。0.1%の上昇でも5%の上昇でも同じ扱いです。

典型価格とVWAP

TPt=Ht+Lt+Ct3,VWAPt=i=1tTPiVii=1tViTP_t=\frac{H_t+L_t+C_t}{3},\qquad VWAP_t=\frac{\sum_{i=1}^{t}TP_i V_i}{\sum_{i=1}^{t}V_i}

累積は表示期間の先頭から始まります。日中セッションごとにリセットされる取引所のVWAPとは別物で、アンカードVWAPに相当します。

OBV移動平均

OBVt=1ki=0k1OBVti,k=20\overline{OBV}_t=\frac{1}{k}\sum_{i=0}^{k-1}OBV_{t-i},\qquad k=20

当日を含む20日窓です。系列の先頭19日は窓が短くなります。OBV本体との上下関係で勢いの変化を見ます。

用語の定義

OBV
上昇日の出来高を加算、下落日を減算して累積した指標です。累積量なので水準そのものに意味はありません。
VWAP
出来高で加重した平均価格です。売買コストの基準として参照されます。
典型価格
高値・安値・終値の平均です。1本のバーを1つの代表価格に要約したものです。
アンカードVWAP
特定の起点から累積したVWAPです。起点の選び方で水準が変わります。
ダイバージェンス
価格が高値を更新してもOBVが追随しない、といった食い違いです。

直感的な例

「株価はVWAPを上回っているから強気」と読みたくなりますが、ここでのVWAPは選択中の表示期間の先頭からの累積です。期間を1年から5年に切り替えれば、同じ日の株価がVWAPの上から下へ移ることが普通に起きます。VWAPとの位置関係を判断に使うなら、どの起点からのVWAPなのかを必ず添えて解釈してください。OBVの水準も同じ理由で、期間を変えれば別の数字になります。

結果の読み方

  • OBVの絶対値には意味がありません。見るのは傾きと、価格との方向の食い違いだけです。
  • OBVもVWAPも表示期間の先頭を起点にします。期間を変えると水準が変わることを前提に読んでください。
  • OBVは値幅を無視して符号だけで出来高を全量割り当てるため、小幅な上昇日が大商いだと過大に効きます。
  • 価格がVWAPの上にあることは、期間平均より高いという事実であって、割高・割安の判断ではありません。
  • ダイバージェンスは目視で見つける限り事後解釈になりがちです。条件を数式で定義してから検証してください。

投資への活用

  • ブレイクアウトに出来高の裏付けがあるかの確認に使います。
  • VWAPを執行の基準価格として、約定が平均より有利だったかを事後評価します。
  • OBVの傾き反転を条件として定義し、条件付き分析でその後のリターン分布を数えます。
  • 薄商いでVWAPが少数の大口約定に引っ張られていないか、出来高分析と併せて確認します。

限界と注意点

  • OBVは値動きの大きさを捨て、符号だけで出来高を配分します。情報の大部分を落とした要約です。
  • OBVの水準もVWAPの水準も、選択した表示期間の先頭に依存します。期間非依存の指標ではありません。
  • 取引所が公表する日中VWAPとは定義が異なります。執行評価にそのまま使わないでください。
  • 出来高に方向はありません。OBVの符号は終値の変化から与えた仮定であって、観測された需給ではありません。
  • 分割・併合や出来高の記録方法の変更で、累積が不連続になることがあります。

実際の株価データで確認する

トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。

OBV・VWAPを実データで見る

本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。