テクニカル
OBV・VWAPとは?出来高で価格トレンドの裏付けを取る
OBV(オンバランスボリューム)とVWAP(出来高加重平均価格)の計算式、ダイバージェンスの読み方、そして「水準が起点に依存する」という重要な限界を解説します。
OBVVWAP出来高加重平均価格ダイバージェンスオンバランスボリューム
この分析で分かること
OBVは終値が前日より上がった日の出来高を足し、下がった日の出来高を引いて累積した指標です。VWAPは出来高で重みづけした平均価格です。どちらも出来高を使って「その値動きに裏付けがあるか」を測りますが、いずれも累積量なので、水準そのものではなく傾きと乖離を見ます。
分析方法
- 初日のOBVを0とします。
- 終値が前日より高ければ当日出来高を加算、低ければ減算、同値なら据え置きます。
- OBVの20日移動平均を重ね、傾きの変化を見ます。
- 各日の典型価格(H+L+C)/3に出来高を掛け、期間の先頭から累積します。
- 累積した金額を累積出来高で割り、VWAPとします。
数式と変数
OBV
V_tは出来高です。値幅の大小は問わず、符号だけで全量を割り当てます。0.1%の上昇でも5%の上昇でも同じ扱いです。
典型価格とVWAP
累積は表示期間の先頭から始まります。日中セッションごとにリセットされる取引所のVWAPとは別物で、アンカードVWAPに相当します。
OBV移動平均
当日を含む20日窓です。系列の先頭19日は窓が短くなります。OBV本体との上下関係で勢いの変化を見ます。
用語の定義
- OBV
- 上昇日の出来高を加算、下落日を減算して累積した指標です。累積量なので水準そのものに意味はありません。
- VWAP
- 出来高で加重した平均価格です。売買コストの基準として参照されます。
- 典型価格
- 高値・安値・終値の平均です。1本のバーを1つの代表価格に要約したものです。
- アンカードVWAP
- 特定の起点から累積したVWAPです。起点の選び方で水準が変わります。
- ダイバージェンス
- 価格が高値を更新してもOBVが追随しない、といった食い違いです。
直感的な例
「株価はVWAPを上回っているから強気」と読みたくなりますが、ここでのVWAPは選択中の表示期間の先頭からの累積です。期間を1年から5年に切り替えれば、同じ日の株価がVWAPの上から下へ移ることが普通に起きます。VWAPとの位置関係を判断に使うなら、どの起点からのVWAPなのかを必ず添えて解釈してください。OBVの水準も同じ理由で、期間を変えれば別の数字になります。
結果の読み方
- OBVの絶対値には意味がありません。見るのは傾きと、価格との方向の食い違いだけです。
- OBVもVWAPも表示期間の先頭を起点にします。期間を変えると水準が変わることを前提に読んでください。
- OBVは値幅を無視して符号だけで出来高を全量割り当てるため、小幅な上昇日が大商いだと過大に効きます。
- 価格がVWAPの上にあることは、期間平均より高いという事実であって、割高・割安の判断ではありません。
- ダイバージェンスは目視で見つける限り事後解釈になりがちです。条件を数式で定義してから検証してください。
投資への活用
- ブレイクアウトに出来高の裏付けがあるかの確認に使います。
- VWAPを執行の基準価格として、約定が平均より有利だったかを事後評価します。
- OBVの傾き反転を条件として定義し、条件付き分析でその後のリターン分布を数えます。
- 薄商いでVWAPが少数の大口約定に引っ張られていないか、出来高分析と併せて確認します。
限界と注意点
- OBVは値動きの大きさを捨て、符号だけで出来高を配分します。情報の大部分を落とした要約です。
- OBVの水準もVWAPの水準も、選択した表示期間の先頭に依存します。期間非依存の指標ではありません。
- 取引所が公表する日中VWAPとは定義が異なります。執行評価にそのまま使わないでください。
- 出来高に方向はありません。OBVの符号は終値の変化から与えた仮定であって、観測された需給ではありません。
- 分割・併合や出来高の記録方法の変更で、累積が不連続になることがあります。
実際の株価データで確認する
トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。
OBV・VWAPを実データで見る本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。