基本分析
出来高プロファイルとは?POC・バリューエリアの読み方
価格帯別の累積出来高を可視化し、POC・バリューエリア・HVN/LVNを支持抵抗として読む方法と、日足データで再現する際の近似の限界を解説します。
出来高プロファイルPOCバリューエリアVolume Profile支持線
この分析で分かること
通常の出来高チャートが「いつ」取引されたかを示すのに対し、出来高プロファイルは「いくらで」取引されたかを示します。価格帯ごとに累積出来高を横向きの棒で並べ、最も商いが集中した価格(POC)と、全体の70%が取引された範囲(バリューエリア)を求めます。
分析方法
- 表示期間全体の最高値と最安値を40等分し、価格ビンを作ります。
- 各営業日の出来高を、その日の高値から安値までにかかるビンへ均等に配分します。
- 終値が始値以上の日を買い出来高、下回る日を売り出来高として色分けします。
- 累積出来高が最大のビンをPOCとします。
- POCから上下に隣接ビンを比較し、出来高の多い側から順に、累計が全体の70%に達するまで範囲を広げてバリューエリアとします。
数式と変数
価格ビンの定義
P_min・P_maxは表示期間全体の安値・高値です。期間を変えると幅も位置も変わるため、ビン境界は絶対的な価格水準ではありません。
出来高の均等配分
その日の値幅にかかるビン数k_tで出来高を割り、等分します。実際の出来高はVWAP付近に偏るため、これは強い単純化です。
POCとバリューエリア
POCは最大出来高のビン、VAはPOCから貪欲に広げて全体の70%を覆う連続範囲です。VAHが上限、VALが下限になります。
用語の定義
- POC(Point of Control)
- 最も出来高が集中した価格帯です。最も多くの合意が成立した価格として扱われます。
- バリューエリア
- 全出来高の70%が取引された価格範囲です。上限をVAH、下限をVALと呼びます。
- HVN(High Volume Node)
- 出来高が突出して多い価格帯です。支持・抵抗として機能するとされます。
- LVN(Low Volume Node)
- 出来高が薄い価格帯です。価格が素早く通過しやすいとされます。
- Value Area Rule
- 翌日も約70%の確率でバリューエリア内に留まるという経験則です。先物市場の慣行に由来します。
直感的な例
POCが2,800円で現在値が3,100円なら「POCに引き戻される」と読みたくなります。しかしPOCは表示期間全体の集計であり、期間を1年から3年に変えれば別の価格に移ります。さらに日足データでは、その日の出来高を高値から安値まで均等に配ったという仮定の上に立っています。実際の出来高はその日のVWAP付近に偏るため、値幅の広い日ほどこの近似の誤差が大きくなります。POCは目安であって、実測された合意価格ではありません。
結果の読み方
- POCもバリューエリアも表示期間に依存します。期間を変えて位置が動くかを必ず確認してください。
- 日足からの再現は「1日の出来高が値幅全体に均等に分布する」という仮定に立っています。実際の分布とは異なります。
- 買い出来高・売り出来高の色分けは、その日の終値と始値の関係で1日分の出来高すべてを一方に振り分けたものです。
- ビン幅は期間の値幅を40等分した値です。トレンドが強い期間ほど1ビンが広くなり、解像度が落ちます。
- Value Area Ruleの「70%」は先物市場の経験則で、この銘柄で検証された数値ではありません。
投資への活用
- HVNを支持・抵抗の候補として、指値やストップの位置決めに使います。
- LVNを通過しやすい領域として、ブレイク後の値幅の目安にします。
- バリューエリア内のレンジトレード(VAHで売り、VALで買い)の枠組みに使います。
- 支持抵抗として使う前に、その水準が期間を変えても残るかを確認します。
限界と注意点
- 日足では日中の価格分布が分からず、均等配分という近似に依存しています。
- POC・VAH・VALは表示期間に依存し、期間非依存の価格水準ではありません。
- 買い/売り出来高の分類は終値と始値の関係による便宜的なもので、実際の売買方向ではありません。
- Value Area Ruleを含め、記載の経験則はこの分析内で検定されていません。
- ビン数は40固定です。値幅が広い期間では解像度が不足します。
実際の株価データで確認する
トヨタ自動車を例に、該当パネルを開きます。移動後に銘柄・期間・入力系列を変更できます。
出来高プロファイルを実データで見る本ページは分析手法の理解を目的とした情報提供です。将来の価格や利益を保証するものではなく、 特定銘柄の売買を推奨するものではありません。